僕にとってプログラミングは仕事にとどまらず趣味そのものです。息抜きに別の言語でコードを書きますし、目的や意味のないものをプログラミングすることも大好きです。
しかし、仕事においては「どのような課題をどうやって解決していくかを考える」ことをとにかく大切にしています。エンジニアとしてより良い設計をし、より良いコードを追求することはもちろんですが、それがユーザーに使われなければ価値はゼロ。価値を生み出すためにはユーザのことを深く理解する必要があり、それはエンジニアとしてコードを書くだけでは実現できません。
チームやユーザーとの対話を大切にし、それを持続的に開発可能な最高の設計で実現していくことが、プロのエンジニアとして目指していくべき姿だと考えています。
ベーシックが求めているエンジニア像は、一言で言うと「自律的で協力できる人」。
アサインされたタスクをただ盲目的にやるのでなく、「こうすればもっとよくなるのでは」と、与えられた要件から自分で考え挑戦できる。自分のアイデアで周囲を巻き込み、挑戦から得られた成果を他のメンバーに共有できる。そんな人がチームに増えてほしいと考えています。
効率化することで自分だけが動きやすくなっても、しわ寄せ的にチームメンバーが非効率になっていては意味がありません。これはシステム改善で局所最適化をしても、全体のスループットの改善には大きく寄与しないことと同じです。自分だけが良いというのではなく、常にチーム全体のスループットを上げていけるように協力できる姿勢を、ベーシックの開発チームでは大切にしています。
ベーシックの開発文化の醸成もCTOとしての重要な役割。その一環として、全社的な行動指針である「basic Power」とは別に、エンジニアが大切にしてほしい3つのコア・コンピテンシーというものを定めています。
まずは「質とスピードを妥協しない」。早くユーザに届けるためにスピード優先で品質を下げてしまうと、後から修正を重ねることになり、結果として効率は下がります。質とスピードはトレードオフだと考えるのでなく、両方をセットで高めていくという意識を大切にしてほしいです。
次に「常に学んで共有する」。私達が扱う技術は常に進化し、対応すべき領域も広いので、学ぶものがなくなるということはありません。だからこそ、学び続けること、学ぶことを楽しめること、その成果をチームで共有することを重視しています。
最後に「他者の生産性に配慮する」。先程述べたように、エンジニア個人だけではなく、開発チーム全体、さらには全社的なスループットを意識し、皆が仕事を進めやすいよう配慮できる仲間と一緒に働きたいと思っています。
ボードメンバーとして中長期のビジョンや目標を問われることがありますが、私はあえて中期的な目標は持たないようにしています。
もちろん、組織としてのロードマップを描くことは大切なのですが、大まかに目指す方向性はあっても、具体的なビジョンや目標はそこまで必要ないと個人的には考えています。人によるとは思いますが、これは中長期的な目標を設定することで、そこに縛られて行動や思考が歪になりかねないと考えているからです。
それよりも私が大切にしたいのは、「今を最高にし続けること」。これは決して対処療法的な意味ではありません。今直面している問題にとにかく真摯に向き合い、一つひとつ丁寧に解決していく。その積み重ねが5年後、10年後によい結果を導くことにつながっていくと信じています。
職場としてのベーシックの魅力は、エンジニアが大切にしている設計やコード・プログラミングに関するあらゆることに対して、会社が重要だと判断し適切に投資をしてくれること。エンジニアが遠慮なく力を発揮できる環境があること。そしてその結果として会社に貢献していると実感できることです。
私はボードメンバーでありながらも、チームの中でもコードをかなり書いている方です。実は「コードを書けなくなったら辞める」と元々代表の秋山には言っていたのですが、これは私がコードを書く行為の価値が非常に高いと判断しているからです。当然、組織のフェーズによってCTOがやるべきことは変わってきますが、現時点ではこれがベストだと考えています。
そういう組織であるからこそ、前述した「自律的で協力できる人」を数多く採用できるように努力することに加え、メンバー同士のコミュニケーションが活発になるように、あえてCTOである私が、苦手なことや弱みをさらけ出すようにしています。そうすることで、みんなが発言する際の心理的抵抗が減り、メンバーも遠慮せず私にダメ出ししてくれるので、結果的に業務のディスカッションも活発化する上、ストレスを感じることもなく、個々が力を発揮できる環境になっていると感じています。
ベーシックでは、エンジニアの生み出す価値がプロダクトを通じてユーザーや社会の問題解決にダイレクトに関わっていきます。そうした実感を得ながら、より良い設計やコードを追求していく経験が、プロフェッショナルなエンジニアとしての確かな成長につながるはずです。自分の書くコードで誰かに影響を与えたい、それを最小の工数で持続的に開発可能な設計を自分で作りたい、そう思っている人にとっては最適だと思います。
そのような同じ志を持つ仲間が集まっている組織なので、楽しみながら切磋琢磨していける環境だと自負しています。Enjoy Hacking! 世の中の問題解決のため、共に楽しみながら挑戦と工夫をしていきましょう!
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